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WORLD ORDER "IMPERIALISM"のPV解釈について


WORLD ORDER "IMPERIALISM" - YouTube

筆者に政治のことはわからぬ、わからぬが、一昔前より自分の政治的志向性を公にすることが「かっこ悪く」なくなったとはいえ、須藤元気率いるWORLD ORDERは結成当初より政治的メッセージが強いスタンスを取り続けているように思う。

 

なかでも2013年に発表された「IMPERIALISM」は、かなり明確なメッセージ性があり、PVもいろいろと興味深い。その映像解釈についてまとまったものがなかったので、少しまとめてみた。

 

 

新世界秩序へ向けて

IMPERIALISMつまり帝国主義と題したこの作品の冒頭より流れるのは、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(父ブッシュ)が湾岸戦争前夜にアメリカ合衆国議会議事堂において行った「新世界秩序へ向けて(Toward a New World Order)」という象徴的な演説になる。

New World Order(NWO)というのは、ご存知陰謀史観で語られるところの「世界統一政府」の別称であり、現職のアメリカ大統領が公式の場でこうしたタームを口にするのはなんとも印象的だ。(しかし、父ブッシュの演説は悪魔的に耳に心地いいね)

 

ちなみにブッシュ家というのは父、息子の2代から大統領を輩出したことから、ケネディ一家に並ぶアメリカ随一の名門とされ、ブッシュ王朝と揶揄されることもある。2016年大統領選挙への出馬を正式表明したジェブ・ブッシュ(元フロリダ州知事)はジョージ・W・ブッシュ(バカの方)の弟にあたる。

 

その後もおなじみのパフォーマンスがワイントンDCを背景に繰り広げられる。ホワイトハウスはもちろん、建国者記念館、国議会議事堂といった歴史的な建造物が中心。時系列に並べてみる。

 

0:30 ジェファーソン記念館
0:45 海兵隊戦争記念碑(硫黄島記念碑)
1:00 ホワイトハウス
1:25 不明
1:45 ワシントン記念塔&リンカーン記念館
2:15 フランクリン D ルーズベルト記念公園
2:22 (おそらくFBI周辺か)

 

2:30からは再び連邦議会での演説シーン。背景にはアメリカによるアメリカのための自由と正義の戦いの歴史が挿入される。キューバ危機、冷戦とベルリンの壁崩壊、湾岸戦争、and so on.

3:13からのほんの一瞬、エリート然とした男たちのいわくありげなモノクロ写真が映し出されるが、これはスカル・アンド・ボーンズ(Skull and Bones、S&B)というイェール大学にあるフリーメンソン系秘密結社。

Wikipediaによるとブッシュ家は祖父のプレスコットから父ブッシュ、バカブッシュと3代にわたりS&Bメンバーであり(なお、バカブッシュの大統領対立候補だったジョン・ケリーもそう)、歴代CIA長官はこの結社から輩出されるのが習わしとのこと(なぜここまで素性が割れているかというと会員名簿が公開されているという…)

 

3:15 ユニオンステーション。中央の逆さ国旗が印象的。
3:45 国議会議事堂
4:33 ジョージ・ワシントン・フリーメイソン記念館

 

そしてラスト(4:50)は同フリーメイソン記念館内に鎮座するジョージ・ワシントン(アメリカ合衆国初代大統領)の彫像の前で終わる。

 

全体を通じて、フリーメイソン-アメリカ合衆国-ブッシュ家(及びネオコンに代表される軍産複合体)-世界統一政府(NWO)という図式が浮かび上がる。ユニオンステーションでの逆さ星条旗についても、アメリカにおける国旗関連法によれば「生命や財産に極度の危険が迫っている際、その危険を伝える目的を除き、下方に傾けて掲揚してはならない」という規定があるということで「すでにアメリカ合衆国は占領を受けつつある」ことの暗示するように見える(須藤さんによればたまたま偶然に、らしいが)。

 

まぁいずれにしても、よくできたパフォーマンスだしPVだ。残念ならが筆者は須藤元気さんの信条なり、政治的志向性をよく知らない。おそらく、上記のメッセージについても何一つ本気で訴えたいわけではないと思うし、それはそれでいいと思う次第です。

 

歌詞の自家翻訳を置いておきます。

 

 これはパラダイムなのか?

 僕が驚きを待ち望んでいたその時に
 カタチにしたいものなんだ

 僕たちは共に実現する
 さあ、楽園を創造しよう

 利権と植民地支配
 僕たちの見る夢は、支配下にある

 今、帝国の歴史は終わる
 さあ、時はきた
 今夜、最高に輝こう

 愛と知恵と信頼が生まれ
 木の葉のうえに朝日が輝くとき

 さあ、時はきた
 楽園を創造しよう