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Netflix 「オルタード・カーボン」が面白いので世界観や用語をまとめてみた

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[2月10日更新]

2018年2月2日よりNetflixから配信開始された『オルタード・カーボン』。

 

前評判がよかったため観はじめたところ、近年稀に見る傑作SFドラマだった。私はすでに2周目を楽しんでいるが、世界観や設定、基本用語について、作中での説明が乏しいため、初心者向けに整理してみた。

なお、一部の用語についてはエピソードが進めば意味が判明するものもあるが(つまり事前に知るとネタバレ)、そういった点はあまり配慮していないので悪しからず。

 

 

オルタード・カーボンとは

リチャード・モーガンによるフィリップ・K・ディック賞受賞のサイバーパンクSF小説三部作(『オルタード・カーボン』、『ブロークン・エンジェル 』、『ウォークン・フュアリーズ 』)を基にした1シーズン10エピソードからなるNetflixオリジナルドラマ。

 

あらすじ

元特殊部隊だが、脱走後、紆余曲折ののち、犯罪者として捕らえられ、250年がたってから新たな肉体に精神を転送されることで再生したタケシ・コヴァッチ(ヨエル・キナマン)が、彼に代替肉体を与え再生させた大富豪ローレンス・バンクロフトからの依頼により、バンクロフト自身を殺害した殺人犯を調査する。
 


Netflixオリジナルドラマ『オルタード・カーボン』2018年2月2日配信決定!


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世界観

物語は二十七世紀。人類は火星で発見したすでに滅んだエイリアン技術を利用し、地球のほか、遠く離れた7つの惑星に居住している。世界は統一政府であるUN(United Nations=国連)によって専制統治されている。この国連は我々の知るものとは異なるものであろう。


科学技術により心身が分離可能となり、その結果、肉体的な死と精神の死は完全に区別されている。肉体をスリーヴ、精神(正確にはその保存デバイス)をスタックといい、肉体的な死をスリーヴデス、精神的な死をリアルデスという。またこうした心身の分離に信条的に反対する勢力も少数ながら存在する。

死は必ずしも万人に訪れるものではなくなった結果、富む者はますます富み、様々な格差が明確に分かれ、かつ固定化した世界。

主な設定と用語 

DHF(Digital Human Freight)

デジタル化された人の心、魂、精神。およびそのデジタル化技術。

 

スタック(Stack)

DHFを保存したメダル状のメモリーデバイス。ナディア・マキタによって発明された。全人類は1歳になると脊髄上部(うなじ)に埋め込まれている。作中では魂と同義に扱われることが多い。

 

スリーヴ(Sleeve)

代替用の肉体。物品のように販売されているが、高価であり、主な所有層は富裕層に限られる。一般層向けにはリースやレンタルされたり、社会保障として事故被害者に無償貸与されたりすることもある(ただし選り好みは出来ない)。

 

ONI(Ocular Neural Interface)2018年2月10日追加

眼球神経インターフェイス。スティック上の機器で眼球に薬剤を噴射し、AR眼鏡なしに視界に様々なデジタル情報、インターフェイスを表示、また記録できる。なお、一瞬ではあるがONI化した瞳が(鬼のように)蒼く輝く描写がされる。

 

保護国(Protectorate)

正確には世界政府UN所属の軍隊を指す。ただしドラマでは保護国とされる。植民惑星セトルドワールドを統治する組織体(UN)のこと。

 

ニードルキャスト(Needlecast)

光速を超える情報送信技術。ドラマのなかではスタックのバックアップに使用するシーンが何度か登場する。またニードルキャストを使えば他の惑星にあるスリーヴにスタック(正確にはDHFコード)を瞬時に転送することも出来る。

 

CTAC(Colonial Tactical Assault Corp)

植民地戦術強襲部隊(シータックと読む)。保護国(UN)により治安維持のため植民惑星に派遣される特殊部隊。物語の冒頭でコヴァッチを襲撃する黒いパワードスーツに赤目の兵士達だが、コヴァッチの古巣でもある。

 

メト(Meth)

自身のクローンスリーヴに魂を転送し続ける不死的存在。富裕層、特権階級の集団を指す。主人公に自身の殺人犯調査を依頼するローレンス・バンクロフトもメトの一人である。ちなみにローレンスは360歳。

 

ソングスパイア(Songspire)

美しい音色を奏でる青い装飾品を掛けたエイリアン(エルダー)ツリー。地球上では唯一バンクロフトの屋敷であるサンタッチ・ハウスに保管されている。

 

RD(リアルデス)

二十七世紀における死。一般的にスタックが破壊されることを指す。

 

新カトリック派(Neo-Catholicism)

魂とスタックを別のものと捉えて、スタックによる再生に反対する宗教およびその信者。

 

ハーランズ・ワールド

日本人と東欧人が植民した惑星。タケシ・コヴァッチの出身でもある。

 

エンヴォイ(Envoy)

ハーランズ・ワールドの宇宙最強を誇った外交特例部隊。女性指導者クウェル・フォークナーによって導かれた保護国に対する反乱軍。壁越しに敵の位置や動きを可視化するといった知覚洞察力を持つニンジャ兵士群。CTACを脱走したコヴァッチ兄妹を匿い訓練する。その後、保護国により殲滅。現時点ではタケシ・コヴァッチが唯一のエンヴォイ。

 

ストロングホールド(Stronghold)

ハーランズ・ワールドのエンヴォイの本拠地。

  

感想

世界観は木城ゆきとの銃夢、世界描写はブレードランナー、アクションと物語の中核である人の心についてはマトリックスといった美味しいところどりのパズルのような作品だが、それぞれのピースが綺麗にハマっており、見事としか思えない。肉体と精神の分離というSFではありふれたテーマも死者の殺人犯の調査というミステリ要素と合間って驚きの展開を見せてくれる。これらの作品のファンはぜひ観てほしい。あと音楽もいいよ。

 

それにしても最近、手ごろな価格で良質な映像作品が観れる世の中になってきました。若かりし頃に観た好きな作品を今観るとまた違った楽しみ方ができて新鮮。

 


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