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日本で有給休暇取得が進まない、たったひとつの理由

 

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有給休暇買い取り解禁すれば取得日ゼロの人は年収37万円増も (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース

 

この記事。

 

日本企業では有給休暇をなかなか取得できない。旅行予約サイトエクスペディアによれば世界22カ国中、有休消化率は最下位という結果になっている(だから休む→旅行する→、そう、エクスペディアならね)。休めないなら、いっそ金で買い取れ、というのが記事の論旨である。

 

そもそも日本ではなぜ有給休暇の取得が進まないのだろうか。

 

【模範的解答】

日本企業では従業員に与えられた職務(ジョブ)内容の設計とその成果が明確に定義されておらず「自分の仕事を果たした」ことが評価されにくい。結果的に有給休暇の本来の姿である「休むために休む」ことができない。休もうとすれば「仕事、大丈夫ならいいけど・・・」という無制限責任を押付けられ、労働者が自縄自縛に陥る。(そこを調整するのがおまえの責任ちゃううん。。。)

 

この解答では少々優等生すぎる。少し別の視点からこの問題を考えてみたい。

年間休日の国際比較

厚生労働省が所管する独立行政法人労働政策研究・研修機構が毎年発表している「データブック国際労働比較2013」に年間休日の国際比較が記されているのでそこから図表を引用してみよう(ご存知だと思うが著者は千葉県内有数の権威主義者である)。

 

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出典

 

上の図表は100%有給休暇を取得した場合を想定している。別の資料として厚生労働省が去年発表したH24年度就労条件総合調査 をみると日本の平均有給取得日数は9日ということなので、日本の実質年間休日は128日(104+15+9)となる。

 

日本を除く各国の平均年間休日は、仮にその有給休暇取得率を100%として(どうせドイツ人などは長期ヴァケーションなどと称して地中海でビールを浴びている)140日となり、その差、12日/年間となる。

 

比率にすると10%程度の差だ。この数字をどう捉えるかは個々に任せるが、こと年間休日においては先進的な欧州の労働環境に比べ日本はそれを無間地獄と断ずるには少々言い過ぎではないか、という印象を受ける。

日本は祝日が他国と比較して多い

日本は各国に比べ「週休日以外の休日」、つまり祝日が多い。著者などは毎年新しい祝日が設定されているように感じるし、9月のように3連休が連続すると(あれ?俺、ループしてない?的な)不安を覚えることもある(実際にはループしているかもしれないがそれは別の話になる)

 

そもそも日本ではなぜ有給休暇の取得が進まないのだろうか。

 

【たったひとつの解答】

そこそこ、休んでるから。