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就職困難者と失業保険

 

就職困難者と失業保険

 

前回の記事では自己都合で退職した場合であっても、その退職が正当な自己都合であると認められ、特定理由離職者と認定されれば3ヶ月の制限期間なく失業保険(雇用保険における基本手当て)が受給できることを紹介しました。

 

今回は関連して就職困難者と失業保険について整理してみます。

 

就職困難者とは

就職困難者とはただ単に就職が困難な人々の総称ではありません(そういった意味では私も就職困難者です)。雇用保険法(施行規則)で規定する就職困難者とは以下を指します。 

 

  • 身体障害者、知的障害者、精神障害者

  • 保護観察に付された者またはその者の職業斡旋に関し、保護観察所長から公共職業安定所長に連絡のあった者

  • 社会的事情により就職が著しく阻害されている者

「身体障害者、知的障害者、精神障害者」については、簡単に言うと障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を交付されている人々です。

 

就職困難者の失業保険給付

就職困難者と認定されれば失業保険の給付について、以下のような給付日数が適用されます。

 

  • 1年以上就労していた場合300日(1年未満であれば150日)

 

一般的な給付日数が90日間であることを考えるとかなり長期の給付になります(就職困難者故に、です)。また、この退職が障害を理由としたものであれば、特定理由離職者と認められ「3ヶ月給付制限期間」の適用を受けません。 

 

さて、このような就職困難者の認定は、退職時点で障害者手帳が手元に交付されていることがその条件であるとハローワーク等で説明を受けることがあります。しかし以下の友人の事例にあるように一概にそうともいえないようです。

 

注意して頂きたいのは以下の体験談は一事例であってすべての状況で有効なものであるという保証はどこにもないということです。ハローワークによっても対応は異なるようですし、同じ所轄であっても担当者が違えばまた異なった結果になる可能性もあります(今回の事例でも担当者ごとに対応が異なりました)。

 

また、こうした情報から不当な失業保険受給を教唆しようとする意図もありません。本当に困っている人が「そのときの運」でその後の生活の保障を受けたり受けられなかったりすることは平等でではないと思うからです。こうした事例もあることを念頭においてハローワークと交渉をしてみてください。

 

手元に障害者手帳がなくても就職困難者と認められた事例

※日時等の情報はダミーです

  1. 9月30日にうつ病悪化のため自己都合退職。
  2. 10月1日に初めてハローワークに行く。
  3. 就職困難者となるには障害者手帳が必要と聞くも、過去に更新しておらず手元にない。
  4. ハローワーク担当者からは10月1日の時点で障害者手帳がなくては就職困難者にならないと聞く
  5. 10月5日 障害者手帳を申請。
  6. 10月11日 ハローワークで別担当者に聞くと、障害者手帳が今手元になくても後で持ってきてもらえれば支給期間を300日に変更できると聞く
  7. 11月前半に障害者手帳が予定より早く届く。
  8. 12月6日の認定日に、同じくハローワークへ障害者手帳を提出し就職困難者扱いとなる。
    ※障害者手帳を申請したのが10月5日で、雇用保険受給資格者証に記載の求職申込年月日が10月11日だったため障害者手帳が有効となったと思われる。

 

ただし、この場合、通常の一般求職登録ではなく、障害者求職登録となることを理解しておいてください。

 

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